日本の古典派書道のメッカである謙慎書道会展は、今年で72回目を迎えました。東京都美術館の第1室には代表作家達の作品が並び、各作品ともこれまでとは姿を変えて、新しい独自の書風で創作し始め、会全体で新しい風潮を生んでいます。
ここにはこれまでの緊張と気迫による表現で、幾つかの方向にパターン化されていたものが取り除かれ、新鮮さが溢れ出ています。
この変貌を書風別に分けてみると、殿村藍田調を継ぐ書風は、各者が太く大胆に表現する肉厚的な方向を、姿を変えて示し、上條信山流では田中節山が木簡を情熱的に展開し、市澤静山は充実する行意で動く表現をしています。
多くの社中が西川寧の書風を借用し、青山杉雨系は書風のルーツを変えて、各者が形と線質に工夫を広げています。かなも表情が豊かになり、篆刻は整然とした小林斗アン調の他に、古拙や朴訥した味が注目されて表面に見えてきます。大きく動き出した謙慎会展を是非ご覧下さい。 |