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 穏やかな気候で筆が進む、春…
 4月〜6月の期間に行われた
注目の書展をご紹介しています。

書展'09秋書展'09夏 ・書展’09冬 
書展08年以降


寒玉書道会 第5回 選抜展
会場: 東京銀座画廊・美術館
会期: 6/23 - 28
注目の書展 寒玉書道会選抜展
注目の書展 寒玉書道会選抜展
注目の書展 寒玉書道会選抜展
注目の書展 寒玉書道会選抜展

 かなの名門、寒玉書道会の第五回選抜展が、東京銀座画廊・美術館で開催された。
寒玉書道会は昭和三十年に宮本竹逕と一門により発足され、書風は関戸本古今集と元永本古今集を骨肉とした竹逕の優美で流麗なかなをベースにして、大字、中字、小字かなと現代文に多彩な展開を挑み、かなの発展に大きく貢献してきた。

 会場には、竹逕が提唱した”線美の追求”と”雑草精神”を見事に引き継いだ会員の86名の作品と、竹逕の作品が大きな壁面にゆったりと掛けられる。

 表現法を見てみると、構成では一見して明るさや賑やかさを感じる表現法ではなく、散らしはやや静的に余白美を見事に作り、線質は暖かさの中に光る強さを秘めて、全体に閑寂な美を醸し出す。

 どの作品からも古典を礎によく伝統を学んだ姿が見て取れ、さらに新しい時代における書美の探求を目指した各作家の工夫や新しいエキスに思わず魅了された。

 かなを学ぶ方々には是非見て欲しい展覧会だ。



第48回書象展
会場: 乃木坂 国立新美術館
会期: 6/11 - 21
注目の書展 書象展 注目の書展 書象展
注目の書展 書象展
注目の書展 書象展
注目の書展 書象展

 国立新美術館に会場を移して3回目を迎える第48回書象展は、書象会の創始者である故上條信山の作品2点、出品者(審査会員101名、特別会員15名、無鑑査会員338名、評議員635名、会員93名、初出品83名)の計1267点による熱気ある展覧会となった。書象会は古典を渉猟し、特に張猛龍碑、九成宮醴泉銘、集字聖教序などを繰り返し臨書して、自分たちの書を創っていくという先師の教えを守り、会員一同が熱心に作品と向き合い、信山ばりの創作に専念している。信山流の大きな特色の一つには強い線があるが、これはただ力強く書いた線とは違い、優しさの中に強さを秘めた線であり、字体の根幹となるような強い線を意味する。是非これから展覧会を訪れる方、既に訪れた方々でも、会の特質を自分で感じていただき、その中で各作家の工夫にも目を向けていただきたい。

 注目すべき点は、今回で3回目となる俊英選抜5人展で、久保妍山、荻田光山、露崎玄峯、小渕石峯、蕪木珠紅が選ばれて、超大作の作品が会場入り口左側の大壁面に陳列された。その制作意欲と迫力、貫禄に圧倒されてしばし立ち止まった。

 また今年の展覧会の大きな魅力は、上條信山の色紙50点を展観したため、信山ばりの清冽で気品の高い書を学書の種として鑑賞できるのだ。理事長の田中節山が鑑賞者たちに丁寧に作品を解説していたのが印象に残る。



「高木聖鶴書展−みやびと渾の世界−」
会場: 銀座 本館6階 和光ホール
会期: 5/9 - 30 (10:30 〜 18:00 日曜休)
注目の書展 高木聖鶴書展 注目の書展 高木聖鶴書展
注目の書展 高木聖鶴書展
注目の書展 高木聖鶴書展
注目の書展 高木聖鶴書展

 「高木聖鶴書展−みやびと渾の世界−」は、ことし1月に新装した和光の会場で開催され、家庭に飾れるかな作品で全体を構成し、一作ごとに作家の天真爛漫な心境が次々と表現されて、会場に自由な楽しい雰囲気を漂わす。

 高木聖鶴のかなは、特定の古筆に依存するのではなく、古筆全てを吸収し、自らの感性と直感でこれらを混合し、さらにそこから新しいリズムを生み出してくる。このリズムは伝統的なかな古筆の世界から離れて、現代の明晰に動く明るい空間の中で、溌剌と線が躍動するスタイルを主張し、さらに漢字の名典から感得する深い重さと品位を孕み、かなの古筆だけでは表現できない線の充実感と粘りを表す。ここが大きな魅力だ。

 一作一面貌で過去の制作姿に捕らわれないこの制作姿勢は、現代のかなのあるべき方向をしっかりと指し示し、豊かな想像力を満喫させる。

 まだまだ満足しないという本人の述懐の言葉を聞くと、底なしに生まれてくる作品の魅力は、まさに次々と活気ある作品を生み出すもので、現代がなの最先端を溌剌と発揮する。この魅力は恐ろしいほどに引き付けるものがある。大字、中字、小字、いずれも一体混合している。大字はドラマチックに作り、中字は変貌が鮮やかで、細字は細やかな充実味を見せる。ここらにも作者の心配りの深さがしっかりと見え、いい個展である。



第16回槙社文会展
会場:サンシャインシティ文化会館    会期: 5/19 - 24
併催: 寄鶴展所蔵金石図書展 −碑法帖拓本を中心に−
注目の書展 槙社文会書展 注目の書展 槙社文会書展
槙社文会書展
槙社文会書展
槙社文会書展

 青山杉雨の逝去で始まった、杉雨一門の結集する槙社文会展は16回展で、常任理事以上149、理事24、評議員364の計537名で開催され、三尺八尺、二尺八尺、半切と寸法を変えて、各者思い思いの志向作を押し出す。中でも幹部の新しい書風を開拓する気迫には、熱気をほとばしらせ、樽本樹邨、中林蕗風、高木聖雨、角元正燦、有岡しゅん崖、海野濤山、泉原壽巖、吉澤大淳を筆頭に志向性豊かな作風を展開する。

 会場正面の大作は、大井岳陵の隷書と吉野翠石の現代文で、三尺八尺六曲と四曲からなり、大きな空間に現代書の伝統的な熱気を組み立てる。正面右側から会員展で、左側には青山杉雨の寄鶴展所蔵金石図書展“碑法帖拓本を中心に”が展示され、ここでは秦漢から唐代までの石刻文、木簡残滓、法帖、硯拓、日本金石文が並び、中でも大作好太王碑が中央に広げられる。

 一方会員の作品では、新鮮さであげると松清秀仙、鬼頭翔雲、村上皓南、などに重い筆致の美が目立ち、井上清雅、石原南峰、清水研石、関根玉振などに新しい構造的な古文が登場する。篆刻は中島藍川、岡野楠亭が斬新で、坂本由朗も楽しい。




第45回太玄会役員書展
会場:東京セントラル美術館    会期: 5/12 - 17
併催: 歴代物故作家展 中国明清書画展
注目の書展 太玄書道会 注目の書展 太玄書道会
注目の書展 太玄書道会
注目の書展 太玄書道会
注目の書展 太玄書道会
  審査会員以上の役員が半紙以下の小品作品を出品することで恒例となった太玄会役員書展が、例年通り東京セントラル美術館で開催された。

 ここに出品される350点以上の作品には、師風を追求する傾向、墨色の濃淡で変化を押し出す表現、形をモダンに構成して豊かに自己表現をする方向、さらには古典を重視する伝統派の仕事など、広範囲にわたる書風が窺える。

 また、今年は太玄会創立五十周年記念特別企画として「歴代物故作家展」と「中国明清書画展」を併催した。「歴代物故作家展」には歴代理事経験者の作品を1人1〜5点が展示され、いま息づく書風の原点を見せる。

 「中国明清書画展」は、解縉、董其昌、張瑞図、黄道周、王鐸、許友、傅山、呉昌碩などの名品約90点を一挙に陳列し、会場は熱気に満ちあふれる。目玉作品となる解縉の草書作品は、一風変った躍動感を豪快に放つ。

 太玄会役員たちが協力して醸し出したこの情熱と興奮が、来年の役員たちの制作意欲を掻き立てると思うと、今から一年後が楽しみになる。



第14回青祥会書展
会場:松坂屋別館カトレヤサロン    会期: 4/30 - 5/5
注目の書展 清祥会書展 注目の書展 清祥会書展
注目の書展 清祥会書展
注目の書展 清祥会書展
注目の書展 清祥会書展
 第14回青祥会書展は隔年の開催で、回瀾書道会で青陵賞受賞者の9名が一人4、5点を出品する。

 回瀾書道会は戦後の書道会創世期の中で、鈴木翠軒、手島右卿、津金寉仙など、そうそうたる作家が設立に参加したが、主義主張の違いで大半は退会し、中台青陵がその後の会をまとめてきた。

 書風は純正で個性的表現を試み、かなは水野精一の流れを継ぐ。漢字は在野で、かなは毎日展に所属するが、全体はオーソドックスな現代派の一風を主張する点で特色がある。

 そのルーツを追うと漢字は揚石舒雁の流れを継承する仕事の展開に新鮮さがあり、小林孤秋は鍾ようの素朴さも窺える。中には独善的な脱俗の書もあり、誉貶共存する。

 郡司e峰、竹之内饒せん、三浦真澄、小林孤秋、川嶋毛古、片芝青邦が魅せる。



第48回竹心展
会場:東京銀座画廊    会期: 4/7 - 12
注目の書展 竹心展 注目の書展 竹心展
注目の書展 竹心展
注目の書展 竹心展
注目の書展 竹心展

 竹心展は、財団法人書壇院の審査会員以上で構成する代表作家展で、48回の歴史を持ち、漢字、かな、南画が並ぶ。書壇院は吉田苞竹の創立した伝統的な書風を堅持しながら、これに現代的な感性を注いで書法を堅持し、運筆は沈着で、情感を豊かにする。

 そこに現代派を標榜する毎日展の漢字部門の中で、伝統派の正道を歩む一派として注目を集めている。その書は甲骨文や金文に造形のルーツを追い、これを現代的な運筆法で叙情豊かに表現したり、古隷や鄭書の伸縮自在な線質を縦横に駆使し、文字の群描の中で線がくっきり表明する伸びやかな美を生む。

 また行草書では、明清の連綿調も取り入れられ、晋唐書から展開する連綿と競合しながら、書風は多彩化する。

 中には飄々とした表記もあり、かなは古筆に基づく正当な動きの中字化に現代を見せ、南画は淡彩で南画本来の伝統的手法を淡彩で整える。幹部たちの作品が奔放に活路を見出し、活気を呼ぶ。


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