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注目の書展 夏  毎日書道展、読売書法展など
総合団体の書展が行われる夏…
 7月〜9月までの期間に数多く行われた
書展の中から、2009年の始まりに相応しい
注目の書展をご紹介しています。

書展'09秋書展'09春書展’09冬 
書展08年以降

第41回日展
会期: 10/30 - 12/6
会場: 国立新美術館
注目の書展 日展
注目の書展 日展
注目の書展 日展

昭和44年に、改組日展の名で大改革をした日展は、昨年40回の節目を終え、今年は41回目の再スタートとなった。国立新美術館3階を展示会場にして、応募数10426点のうち1.117点が陳列された。

 日展の特色として、統一されたリズムや調和、構成を秩序立てる整然美など、拘束された表現があるが、この風習にとらわれずに富んだ表現に挑んだ作として、近藤摂南の大小自由な現代文、尾崎邑鵬の形に純朴美を出した漢字、津金孝邦の奔放な線の動き、浅見錦龍の率直に打ち出す圧倒力、毛利柳村の形に迷い込む変貌、中野北溟の幼拙さの純朴日、草野靄田の形の気儘さ、岩井韻亭の線舞の奔放、鈴木瑞之の動きの大きな自由さなどがある。

 日本で最高峰の書展と言える日展だが、2段、3段掛けのうえ小部屋に仕切られての陳列法には、圧迫感が出てしまうのが残念だ。



第26回読売書法展
会期: 8/21 - 30
会場: 国立新美術館
注目の書展 読売書法展
注目の書展 読売書法展
注目の書展 読売書法展
注目の書展 読売書法展

出品総数28,481点のマンモス書展、第26回読売書法展がいよいよ開催された。読売大賞には井上清雅の大地に強く根を張るような威風堂々とした作品「詩経 鄭風・大叔干田」(漢字作品)が選ばれた。準大賞には澤田虚遊、藤川翠香、原奈緒美、高見廣流、大友青陵、金谷雷聲が選ばれた。

 読売書法展は、古典を根底に表現の真髄を模索し、伝統表現の境地を見せる伝統派の作品が多く、それぞれの作品には作家の秘められた細かな配慮や工夫、技術の高さなどが窺える。昨年に比べて本年は出品総数がわずか減になったが、毎年の質の高さを堅持し、格調を重んじる姿勢で『本格の輝き』を示す。

 そこには今風の偶然性や勢いに任せた表現ではなく、知ろう、学ぼう、さらに語ろうという書表現を推し出す作品で成り立つ。古典という究極の象徴に、作家が鍛錬して学び得た筆法をいかに融合させて調和するかの工夫が活きる。そんな作家の技巧や主張を見て、感想を同志と共有し、明日の自分の書に活かそうとする雰囲気が会場には漂っていた。




第44回貞香書展
会期: 8/5 - 17
会場: 国立新美術館
注目の書展 貞香書展 注目の書展 貞香書展
注目の書展 貞香書展
注目の書展 貞香書展
注目の書展 貞香書展
 8月5日から17日までの期間、国立新美術館(東京)で第44回貞香書展が開催された。貞香会は1923年に書壇の再建に努めた近代日本を代表する書作家の中村素堂が創設し、書文化の研究と書芸術の創造をめざして80年以上の歴史を持つ会である。

 その貞香会が催す第44回貞香書展は、故中村素堂の書風を受けいで、古典に立脚した書芸術の現代的な造形性や表現を志向し、作家の個性を加味して個々の作品が訴えかける会場となる。漢字を中心に近代詩文書、かななど多方面から書の表現の自由を主張する書展は見応えがあり、なかでも造形性を重視した漢字表現では作家の工夫が光る。

 余白の使い方や線の構築法、文字や作品全体の構成法に焦点を当てて作品と対話すると、その工夫がより感じられる。


61回毎日書道展
会場: 東京都美術館
会期: 前期 7/8 - 11 / 後期7/13 - 17

会場: 国立新美術館
会期:第一期 7/8 - 13 / 第二期 7/15 - 20 / 第三期 7/22 - 27 / 第四期 7/29 - 8/2
注目の書展 毎日書道展
注目の書展 毎日書道展
注目の書展 毎日書道展
注目の書展 毎日書道展
 公募、会友、役員合わせて約35,000点という最大規模を誇る出品数の61回毎日書道展が、東京都美術館と国立新美術館の2大会場を使用して開催された。毎日書道展は伝統書から現代書まで、全ての分野を網羅する総合展で、漢字部T類U類、かな部T類U類、近代詩文書部、大字書部、篆刻部、刻字部、前衛書部の9部門からなる。総合展ののなかでも、初めて書展に行くという人でも、個人の感性や観点から楽しく見ることができる展覧会であろう。
 今年は各部門で作風が系統化が進みつつあるが、毎日の表現は「より解りやすく、より楽しく」を謳っていることもあり、各自の独自性を押し出して表現されることに期待したい。特に大字書部はまくり審査に課題が残る。

 また特別展示として、国立新美術館1階で、「篆刻家 松丸東魚の全貌−捜秦摸漢の生涯−」が開催される。
松丸東魚は日本の篆刻界を牽引した篆刻家で、知丈印社を主催して後進の育成に尽力し、白紅社を設立して出版も手がけた。特別展では、松丸東魚の古印、刻印、書作品と木額、工芸品や東魚遺愛の書・印・硯など、実に1,000点を超える出品物が並ぶ。

 毎日書道展はこの2会場を皮切りに、関西、四国、中国、北陸、東海、東北仙台、北海道、東北山形、九州を巡回して修了する。



40回記念道文会展
会場: 岡山県天神山文化プラザ
会期: 6/30 - 7/5
注目の書展 道文会展 注目の書展 道文会展
注目の書展 道文会展
注目の書展 道文会展
注目の書展 道文会展
 岡山県天神山文化プラザの第3・4・5室を借り切って第40回記念道文会展が開催された。

 道文会展は毎年テーマを決めて展覧会の作品を制作するため、会の特色や傾向の他にも、テーマに見合った作家の工夫を感じ取って鑑賞できる。さらに素材には自詠の句を使って作家独自の作品の表現法を高め、作品の横には素材の歌をイメージした写真を掛けて、鑑賞者に作家の制作時の作境や、詩情表現法などが理解しやすいような工夫がなされていた。

 今年は「静と動」をテーマに、かな表現において最も重要な線質や表現法に焦点を当てた。代表作家達はパネルや屏風、枠長などに作品を制作し、会の魅力を十分に披露した。ここには線質を内面から分析し、表現に工夫を凝らそうとする作家達の意欲と熱意で会場を包んでいた。

 見方のポイントとしては、作品をただ見つめて「静と動」を感じ取るのではなく、作品の内面から放たれる線質の「静と動」を発見すると、より作家の作境に近づいた見方ができる。

 書と歌、写真のコラボレーションにより、鑑賞者は作品と対話でき、作家の表現の魅力を十分に体感できる場となった。

今週の注目の書展

2010年の注目の書展

書展'10冬書展'10春
2009年の注目の書展
書展’09冬書展'09春書展'09夏書展'09秋

2008年以降の 注目の書展