書道ジャーナル 書道ジャーナル研究所  
ホーム 書道作品 雑誌 販売 評論 海外展 小野寺美術館
書展案内 賛助会員申し込み 書道の宝箱 書道家 一覧  企業概念

注目の書展 冬  書道展が最も多い時期、冬…
 1月〜3月までの期間に数多く行われた
書展の中から、2009年の始まりに相応しい
注目の書展をご紹介しています。

書展'09夏 ・ 書展’09春 ・ 2008年以降



第22回不二現代書展
会場:大阪市立美術館    会期: 3/17 - 22
注目の書展 不二現代書展 注目の書展 不二現代書展
注目の書展 不二現代書展
注目の書展 不二現代書展
注目の書展 不二現代書展

 第22回不二現代書展は、日本書道教育学会が現代に掲げる新しい書の作品を公募して催す展覧会で、漢字かな交じり書を新和様、文字構成の新しい展開を文字構成と名づけて、大字書の表現を探求する。一般には現代文と大字書であるが、新和様には筆法を重んじて書くという独特の表現法があり、これを俳味を交えて表現する文人的な制作姿勢である。

 また、文字構成は一字書を書法の要素をしっかり踏まえて表現するので、いずれも純正書道の正常な表現美を展開する点に、大きな特色がある。作品は一人一人が、自分の学んだ古典と学習歴で制作しているため、一人一家風で他の展覧会に見るような、会派のスタイルを真似るのとは大きく異なる。

 文字構成は昨年から始まったばかりであり、石橋鯉城、伊藤泉鶴、進藤正則、浅野秋月、草苅北望などが、極めてユニークな表現だ。

 一方新和様では、内堀信嶺、池田龍仙、長谷川白楊、岡晴雲が良い雰囲気でゆったりとして楽しめる。




第58回奎星展
会場:東京都美術館    会期: 3/7 - 12
      上野の森美術館     09奎星50人の書
注目の書展 奎星展 注目の書展 奎星展
注目の書展 奎星展
注目の書展 奎星展
注目の書展 奎星展

 第58回奎星展は、前衛書道のメッカだけに書の作品に対して厳格な姿勢で望み、一部前衛作品、二部伝統作品、三部臨書作品、四部身体障害者作品と分けて、作家がその年毎にこのいずれかの作品を制作するので、意外な作品が登場し、創作の新しい姿勢と豊かな工夫を見せる。

 ここ数年、体制は世代交代で新しい試みを実施し、今年は第一室の役員の部屋に、文房具の水滴、水注、筆筒、筆立て、文鎮などの用具と瓦當を並べ、書の本家中国の書に携わる人の思い入れを実作で見せる。

 さらに注目するのは、今年から2年で奎星100人の書を上野の森美術館で実施し、今年は50人の力作が並ぶ。この作品は従来の前衛書のパターンを引きずりながら制作する作家と、全く新しい手法と考え方のもとに描き出す前衛書道は、因習や古い拘束を払拭して、さっぱりした清々しい創造の世界を描く作品が7点ほどあった。

 ここに大いに注目したい。その作家は安藤園美、小椋紫仙、八重柏冬雷、堀吉光、石田敬子、友葭良一、本多敬子である。いずれも作品が生まれ出てくるルーツそのものが魅力ある世界を示す。こうした仕事は現代書の中で、極めて前衛的最先端の仕事であり、今毎日展等で流行の様式化、前衛化される作品とは全く違う。大いに期待できる。

 本展のほうで注目する作家をあげると、菅野清峯、相原雨雪、左右津安輝子、渡辺春虹、福田宏二がいい。




第71回謙慎書道会展
会場:東京都美術館    会期:2/28 - 3/5
注目の書展 謙慎書道会展 注目の書展 謙慎書道会展
注目の書展 謙慎書道会展
注目の書展 謙慎書道会展
注目の書展 謙慎書道会展

 第71回謙慎書道会展は、東京都美術館の一棟全室を使い、三尺八尺大の意欲作を選りすぐって並べ、今日の伝統的な古典派の仕事の充実振りを一堂に集めて披露する。その特色は金文、篆書、隷書という中国人特有の、構築的な造形を施す表現法で、気迫を込めて表現する。

 2字、3字から多字数作品の一連の仕事と、行書、草書の太い線を、余白を埋め尽くすような覇気を込めて書き流す行草、これに瞬発力を余白に吐き出す信山流で知られた筆法と、かな作品が多歌を連綿で書き流す傾向などが、代表的なスタイルだ。

 こうした方向は、構築的な造形を志向する主張と、行草書の連綿に支えの表現を試みようとする派に大きく分かれ、余白の有る無しで迫力が異なる。ここの主張は、知的に計算された綿密な構成力を颯爽と書く点で、現代書の最右翼だが、どの作にも漲る空間の充実した気満の精神は、さすがに現代をリードする流れが濃い。

 今年の出品作の中で、際立つ斬新さを拾うと、高木聖雨が棒状の線で再構築する手法を披露し、泉原壽巖が岩を表現するような、禅的な大字書を発表しているのが意表を突く。第2室、3室と高い技術の作品が並び、その上での迫力を示すところに優劣の差がはっきりと出るようだ。



49回展現日選抜書展
会場:国立新美術館    会期:2/18 - 3/2
現日選抜書展
現日選抜書展
現日選抜書展
現日選抜書展

 昨年開館した国立新美術館の3階に、新しい会場を確保した49回展現日選抜書展は、展示方法で衝立を立体的にして、ゆったりと陳列し、縦横、大中を見やすく並べてじっくり観賞できる陳列法を実行した。

 第一室には中堅幹部の意欲作が並び、ここには一人一家風を主張する作品が見事にそれぞれの顔を前面に打ち出し、豊かな個性的作風が並ぶ。隣の広間には、続いて作年本展で特別賞を受賞した作家が、4尺4尺の同じ寸法に、漢字、かな、現代文を制作し、ここでは未来志向の作品を再構築する。

 この10点では木原光威、菅原大鳳、大原朴城、田中想雲の4点が光を発する。役員室は会の幹部が思い思いの作を展開し、この書展にかける全体の意欲がよく伝わる。

 注目作を拾うと、國吉幸舟、富岳凌雲、岡村雄山、菊地耕心、木原江村、三宅剣龍、浅見満、浅野誉子、梅津鳴上、越智麗川、加藤深流、城所湖舟、古賀南城、今野雲上、菅原壯心、鈴木鵬舟、高頭子翠、中田佳子、藤田紅子、成田杳虹、林幽峰、などで、試行性豊かな作品が続く。




第56回 朝聞書展
会場:上野の森美術館    会期:2/13 - 18
朝聞書展 朝聞書展
朝聞書展
朝聞書展
朝聞書展
 第56回朝聞書展は松井如流の直門で最初は成立され、その後孫弟子まで参加して、実力を競う東京書道会の本流を形成する。この会は世代の交代で近代化し、運営委員12名が毎年半分づつ三尺十尺か六尺六尺の大作に挑み、残りの六名は小品を提出する。

 その他は8名を選んで大作を書き、巻子は12名が全員順番に漢字かかなで制作する、制作第一主義を貫く。今年の見所は、大作では鈴木響泉が極めて細い神経的な線で、光風霽月を出品し、尾崎学の雁一行は、太くうねる線の同一的な構成美で新しい面を切り拓く。

 また、役員では、林蕉園が泉に渇筆の響きをはっきりと出し、畠山華堂は寒月に墨の減る自然現象を鮮やかにゆったり描く。

 小品では石井竹泉の粋、栗崎浩一路の苔石が新鮮で、野口岱寛の彌天は、入り口に陳列され、父親から脱皮した独自の表現を生み出して、注目できる。

 大字所の中核団体として意欲がよく現れる。


四季の抒情−辻元大雲書展
会場:東京セントラル美術館    会期:2/3 - 8
 書道芸術院の理事長を務める辻元大雲が、東京セントラル美術館の広い会場に、超大作を2点、これを中心に現代文の個展を開催した。この仕事は毎日書道展では近代詩文書、辻元大雲が所属する書道芸術院では、現代詩文書と言い、微妙に読み方が違うが、ここには各会派の現代の漢字かな混じり文の表現を、どのように表現するのかの理想の像が現れている。

 辻元大雲の古典は、顔真卿の肉感的な線、つまり上から力を入れて広げる篆書の篆意を活用し、形はふっくらとして温かく、甘く、ロマンを見せる。ここに現代の未来にかけるロマンチシズムが現れる。

 この仕事を、濃墨と淡墨で筆を作品ごとに変えて線質の変化を見せ、時には羊毛、山馬、草の筆など、それも一本で書いたり、二本に束ねたりし、表現を豊かにする。文字は読めるように書き、一文字づつの歩みをゆっくりとする。その中に潤筆や渇筆を見せて、威力を発揮する。こういう世界を日本の現代書の中に堂々と打ち上げているのが、辻元大雲の個展だ。

 太い線が活躍する作品と、極めて細い線が活躍する作品、重々しい線、こうした物が同時に一つの会場の中に現れ、しかも日本の文章である歌人の心に正面から取り組んでる所に現代の主張だとする姿がよく現れている。色々と模索する姿を示しながらも、その中にピカっと光る仕事を5つも6つも見せている。ここに注目すべきである。良い個展だ。



第42回玄潮会書展
会場:東京都美術館    会期:1/29 - 2/4
 第42回玄潮会書展は、第1室に幹部と注目作家の作品が並び、ここには大字書を中心に、今玄潮会が新しい書を積極的に生みだしている注目すべき作品が、15点程集中的に展示されている。この新しい傾向とは、もともと玄潮会そのものが徳野大空の創立した会で、大空は羊毛の長長鋒や長鋒を特別に作らせ、毛の柔らかさを書の線に反映させるべく、濃墨と淡墨の両極端の墨を使って、太い線をふっくらと温かく丸みを持って書く、叙情的な書の美を開拓した。

この基本的なレールはその後、黒澤春来につながり、西島東観にいたって、線は痩せて骨格を現すようになるが、概ねこの前二者の書風が、会の基本スタイルだ。ここにこれとは全く違う線その物の質を締め込んで強くし、粘りを入れ、意欲的に引く傾向や、形を純正な崩し方を素直に書くのとは違い、苛めたり、歪めたり、新たな形の豹変する物を追い、時には晋唐書による古典ではない、新たな時代の古典を取り入れて、書そのものの価値を深めて表現を大きく変えている。それだけに旧態の書風を追う書風伝承派と、個人の書風を開拓する傾向があり、この両者の明確な主張の相異は年々赤裸々になる。

注目作は石原太流、文部科学大臣賞の上原修陽、紙屋鶴峯、小川秀石、 旭谷朗抱、岩田明倫、小幡太清、鈴木龍峰、岡野屋宏一、田鹿朴拙、室井董碩、室岡節子、望月太玄などで、大いに期待したい。


第25回産経国際書会代表展
 昨年から国立新美術館に会場を移して、広いスペースにゆったり飾ることの出来た平成21産経国際書会代表展は、通産23回目で、産経国際書会新春展の併催として開催されている。作品のサイズは従来の二尺八尺に変わって、方形や横物など大きくもなり、内容が一気に意欲的になった。会場を入ると広い空間に役員の大幹部と副理事長、常務理事、専管理事クラスの作品が広い中央の通路の両側に、コの字型で並び、各壁面は力作や新しい工夫の作品が並んで、7割を越す優品が訴えてくる。この大半が漢字とかなであるのに注目する。現代文は類型と同一傾向で、貧弱なのが寂しい。

 今回の注目作を拾うと、林錦洞、佐々木月花、昆逸山、村越龍川、斉藤香坡、伊藤欣石、岩田正直、風岡五城、竹澤玉鈴、高橋照弘、岩間清泉などだ。
会期: 1/21 - 2/2
会場: 国立新美術館


第50回記念太玄会書展
 50回記念を迎えた太玄会書展は、数多くある書道団体の中でも16社中が参加する。このいずれの社中も特定の師匠の系列ではなくて、それぞれ異なる主張から成立した作家達の集合体であり、極めて貴重で珍しい。

 この種の団体は太玄会や東方書道院があるが、参加団体の数の多さと主張の多様性では太源会が凌ぐ。制作姿勢は漢字、かな、現代文にそれぞれ古典を踏まえた現代性の表現だが、いずれも可読性を尊重し、形の工夫に個性を表す。

 今年は記念展に合わせて中堅幹部が一〇尺四方大の大作に挑み、大幹部も意欲的だ。地下の特別展示室では、各社中の50年の歴史を語る写真が並び、創立時の記念撮影など密度の濃い紹介だ。
会期: 1/11 - 18
会場: 東京都美術館

今週の注目の書展

2010年の注目の書展

書展'10冬書展'10春
2009年の注目の書展
書展’09冬書展'09春書展'09夏書展'09秋

2008年以降の 注目の書展