東晋の王羲之の作。蜀の太守の周撫に宛てた書簡29通を集刻した法帖。原石の拓がどれかは不明。刻本は館本と賀藍本の2系統に大別できる。館本は帖尾に「勅」の大字と「付直弘文館、臣解旡畏、勒充館本」「臣褚遂良校、無失」および徐僧権の押書のあるものをいい、賀藍本は賀知章の臨本を底本としたもの。三井本、上野本、欠十七行本などは館本である。 尺牘の内容は日常の安否を問う書簡である。運筆の方向は明確であり、草書体の基本形である。三井本は鋭角的、上野本は円みを帯びている。