草書千字文は、餘清斎帖と墨妙軒帖の二種があり、どちらも刻本で肉筆は伝存しない。 餘清斎帖は本文98行、底本は黄麻紙に書かれていたものとされる。末行に「垂拱二年写記過庭」の落款がある。 運筆は横画を右上がりにし、力強く四方に発散させる気性がある。墨妙軒帖は本文81行で、本文の末行下に「過庭」の署名がある。宋の欽宗の避諱があることから、欽宗以降の偽跡とされる。運筆は横画を真横にし、まろやかな円みで安定させる構成だ。