馬王堆帛書『老子甲本』 (BC 200頃)

 木片や竹の上に文字を書き、紐で繋いだ書簡のことを簡書(かんしょ)と呼ぶのに対し、帛書(はくしょ)とは、絹を書写材料として用いて文字を書いた総称を言う。つまり帛とは絹のことである。

 馬王堆帛書(まおうたいはくしょ)は1973年に湖南省長沙市馬王堆三号漢墓より出土した帛(絹布)に書かれた医学や陰陽五行などの書籍類である。馬王堆帛書老子(または馬王堆漢墓帛書老子ともいう)はその中の写本の一つで、図版は『老子』の甲・乙2種あるうちの甲から抜選した。これらの書写年代は墓葬年代などから甲が前漢の高祖期(BC200年頃)、乙が恵帝・呂后期BC198年頃と推定され、馬王堆漢墓帛書老子は、現行本とほぼ同じ内容である。甲本は卒意性のある草隷(注:参照)の書体で書かれ、乙は隷書体で書写されていて、これらは当時の標準体だと思われる。同等の書体で書写されているものとしては、他に馬王堆帛書の『五星占』や『周易』、『相馬経』などがあげられる。

注:古隷や八分の略体、早体をいい、草書、行書、章草の未分化である状態の書体。

馬王堆帛書『老子甲本』
BC200年頃

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